カテゴリ:国際情勢( 46 )

最近、ページ上部のメニューにツイッターを使って「今日読んだ記事(メニューでは「Today's News」)」というページを作りました。30~50の記事を読んでいこうと考えています。読んだ記事の単純なリンク集ですが、ある程度まとまったテーマで括ってみようかと考えています。

ヤフーのニューストピックやグーグルのニュース検索を使って読んでいるので地図を片手に国名を入力し気になった記事を読むという形です。ツイッターの使い方をいまだよくわかっていなのですが何かしら役に立ちそうな予感がしています。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-08-08 12:41 | 国際情勢

ロシア極東地域

a0005366_21535852.jpgゴールデンウィーク最終日となりました。今年の連休は天気が良くてよかったですね。ブログの更新頻度も上がってきたのでこの調子で行きたいところです。

連休中、10時から昼まで『関口知宏の中国鉄道大紀行 〜最長片道ルート36000kmをゆく〜』の再放送をやっていました。春編ということでチベット自治区のラサからの出発し、ぐねぐねとまわって西安までというルートです。

すごい旅です。


a0005366_2254213.jpg左の写真は、去年の夏に北京を旅行したときの天安門広場です。帰って中国人の知り合いに見せたら、「まだ毛沢東の写真があるのか!」と少々うんざりした様子でした。

帰りの飛行機の中から、渤海を見たときには、ここが半世紀前には日本の勢力圏だったと思うと時代がどれだけ変わったかため息が出ました。

中国のバブルはものすごい!という話がテレビや新聞などで盛んに言われています。M2(現金通貨+預金通貨+準通貨)の量がアメリカを超え(約94兆円多い)、日本のバブル経済時をはるかに凌ぐ(バブル期はGDPの1.13倍、今の中国は1.9倍)と伝えられていました。(人民元、現預金で米国を1兆ドル超え 中国の“危ういバブル”膨張止まらず[2010/5/2、MSN産経])

経済とは面白いもので、無理に何かを維持しようとすると後で必ず痛いしっぺ返しを受けます。日本の社会保障も最後には2人で1人の高齢者を支えるまで負担が増えるそうです。「社会で支える」制度が、結局兄弟で支えるのと結果は同じになってしまうわけです。皮肉もここまで来ると皮肉として受け取ることはできませんね。

-------------------------------------------

今日は、ロシアの話です。

「新・冷戦」から急速に改善、米ロ首脳 信頼回復
米ブルッキングス研究所所長 ストローブ・タルボット氏
経済近代化カギ 影落とす二頭体制

(2010/5/4、日経)

「製造業やサービス業がグローバル化すれば、ロシアは世界にとって建設的なパートナーになるだろう。だが、ロシアはなお資源に大きく依存し、低い出生率や高齢化などの問題も抱える。経済の近代化に失敗すれば、政治的な影響も考えないといけない」

 「91年に新潟からハバロフスクを経由して、ウラジオストクに行った際、スラブ系の住民はモスクワ(中央政府)に絶望していた。日本が当時、『日本の一部になりませんか』と聞いていたら、『ぜひお願いする』という答えが返ってきただろう。旧ソ連の末期、多くの共和国がソ連と縁を切りたがっていた。同じようにロシアは今後、経済的に繁栄しなければ、分裂の危機に直面する」

 「ロシアの分裂を好ましいと考えるのは誤りだ。日本はこの問題意識を理解すれば、特に極東でロシアを助けることができる。ロシアも日本の支援を望んでいるが、中国の支援は望んでいない。地政学的にいって、資源を持たず、巨大な人口を抱える国(中国)に依存するのは望ましくないからだ。ロシアには極東の資源開発で日本の支援が不可欠で、そのためには北方領土問題も避けては通れない」

--------------------------------------------

誰かの知り合いが、ロシアのウラジオストクから新潟経由で来るというので一目会いにいきましたが、その時「シベリア鉄道の旅をしてみたいんだ!」と言ったら、「みんなそう言うけど、やる人は少ない」とうんざりした表情をしていました。いかん話題を間違えたか・・・と思いましたが、「心理的には非常に遠い所」から来た人だったので個人的には満足しました。

さて、大学時代に考えた問題意識は、ロシア極東地域の経済がよくなれば、ロシアは軍を極東にたくさん配置するだろう。だから残念だけども、このままがいいというものでした。

しかし、この極東地域は伝統的には中国の影響圏で、国境を移動させなくても経済的・社会的なコントロールを強めていくだろうという記事を読むと、あの大学時代の問題意識でいいのだろうかという気持ちになります。
The Geography of Chinese Power[2010/4/19、NewYork Times])

そこで、ロシアに投資するべきだと思うと逆の意見が気になるようになります。

「グローバル化の意味が分かっていない!グローバル化は自国に投資を呼び込むことだ」というものです。

しかし、中国の膨張に対する戦略的な投資はやるべきだろうという気持ちに現在はなっています。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-05-05 22:59 | 国際情勢

今日も非常に暑い日でした。午後は、海でボディボード、帰ってきてからはニュースや本を読んで過ごしました。ニュースを読んでいると非常にきな臭い記事が沢山ですね。ご紹介するのは映画ですが、第1次世界大戦に至る緊張をうまく表現しているSF映画があります。時間があったらごらん下さい。とてもポピュラーな映画なので皆さんはもう観ているかもしれませんね。

The League of Extraordinary Gentlemen(IMDb)

-----------------------------------

中国船、海保の調査船に接近 日本のEEZ内(2010/5/4)

場所:日本の排他的経済水域内、地理的中間線の日本側40km

出来事:海上保安庁の調査船、昭洋(3千トン)が海底の地殻構造を調査中に、中国政府の調査船、海監51(1700t)に追跡された。

主なやり取り
海監51:「何をしているのか。この海域は中国の規則が適用されるので調査を中止しろ」
昭洋  :「日本の大陸棚であり国際的に正当な調査を実施している」

東シナ海ガス田、日中が初の局長級協議(2010/5/4、読売)

【記事の内容ここまで】

今回は、このガス田を巡る交渉前の軍事的なやり取りに当たると言えるでしょう。このような形での交渉にも関わらず交渉場所が北京というのは良くないと思うのは私だけでしょうか。戦国時代ではないですが、力を背景にした出来事では時代は関係ないように思えます。

最近は、英国において地政学を研究している奥山真司さんのブログを頻繁に見ていますが、とても役立つ記事がたくさん紹介されています。幅広い視点から状況を眺めるという点で、ぜひ参考になさってください。



ごく簡単にまとめると、


  • 中国海軍は、沿岸への近接拒否戦略のみならず外洋への展開能力を高めている。

  • 排他的経済水域に対するアメリカと中国の認識が異なっている。



ということになるでしょうか。

ここで排他的経済水域についてまとめておきましょう。

--------------------------------------

国連海洋法条約

【第55条】排他的経済水域とは、領海に接続する水域・・・沿岸国の権利及び管轄権・・・その他の国の権利及び自由は、この条約・・・によって規定される。

【第56条】
(第1項)沿岸国は、排他的経済水域において、次のものを有する。

  • 天然資源の探査、開発、保存及び管理のための主権的権利

  • 海水、海流及び風からのエネルギーの生産等の経済的な目的で行なわれる探査及び開発のためのその他の活動に関する主権的権利

  • 人工島、施設及び構築物の設置及び利用に関する管轄権

  • 海洋の科学的調査に関する管轄権

  • 海洋環境の保護及び保全に関する管轄権



【第58条】
(第1項)すべての国は、沿岸国であるか内陸国であるかを問わず、排他的経済水域において、この条約の関連する規定に定めるところにより、第87条に定める航行及び上空飛行の自由(公海の自由)・・・を享有する。

---------------------------------

つまり、排他的経済水域の「排他的」には、沿岸国・内陸国の航行・上空飛行の自由まで排除できるものとはなっていません。先ほどの、中国とアメリカとの認識の違いは明らかにアメリカの主張の方が条約に則っていそうですが・・・(中国が日本の沖ノ鳥島EEZに異議、中国海軍の活動[2010/4/13、サーチナ])

今回の出来事は、日本の排他的経済水域内で起き、日本の海洋の科学的調査に関する管轄権に対し、中国政府の調査船、「海監51」が調査の中止を求めてきたというものです。

地図を見ると分かりやすいので、海上保安庁の「日本の領海等概念図」で見てましょう。

a0005366_2338756.gif日中中間線の日本側での活動について、中国側が「中国の規則が適用される」と主張したので、中国はこの中間線を明確に否定したということになるでしょう。

以前、「中国艦船の演習について」(2010/4/14)という記事で東南アジア諸国と中国の海洋を巡る争いを書いたので是非お読みください。

民主党政権は、駐留米軍に対する対処を完全に間違ったといえるでしょう。その間違いは、日本の主権を危険にさらしています。第2に、対処を誤らなかったとしても日本は厳しい状況に立ちます。私たちが望むような毅然とした政治家が事に当たったとしても非常に長期にわたって厳しいにらみ合いが続くでしょう。

ペリクレスの以下の演説は、駆け引きにおける1つの理想的な形態といえるのではないかと思います。

些細な問題こそ、諸君の決意を確証し試験する一切のものなのである。もしも諸君が彼らに譲歩すれば、この件で諸君は恐怖に駆られて屈服したのだと彼らは考え、直ちに別の更に大きい要求を諸君に突きつけてくるであろう。しかし諸君が断固として拒否すれば、むしろ対等の立場で諸君と交渉すべきであることを、彼らに明確に示してやることになろう。」(トゥキュディデス『歴史』、一巻140 ペリクレスの演説)

しかし、私たちは自国をアテナイのように捉えてはいけません。ラケダイモンとアテナイに挟まれた非常に裕福な島のひとつとみなす必要があります。同盟国の切り換えは、アメリカとの関係で非常に高くつく代償を払うことになります。同盟を切り替えることなく、自国の防衛努力を高めるバランス感覚が必要です。(ただし、アメリカはアテナイほどの決断力と熱意がある国家ではないと思いますが・・・)

普段、普通に過ごしている人たちも憲法改正と軍備拡張の必要性を考え始めたのではないかと思います。皆さんが(特に私に当てはまりますが・・・)、それぞれの人間関係の中で信頼を失わずにこの問題について話し合い、問題意識を共有できるようになれるよう願います。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-05-05 00:16 | 国際情勢

中東情勢 - 地域的対立へと規模縮小へ(2009/10/10)

【米戦術核、欧州配備の削減検討 NATO外相会合(日経、2010/4/23)】
●ドイツ、ベルギー、イタリアなどに約200発配備されている。
●ドイツ、オランダなどが欧州の戦術核撤去を主張。
●NATO内では、削減・撤去に対し、ドイツが積極的、中東欧が慎重。
(記事の内容ここまで)


『大国政治の悲劇』(五月書房、ジョン・ミアシャイマー著、奥山真司訳)
●506p~510p

ドイツは積極的に欧州で力を増大させようと考えているのかもしれない。また、中東欧がロシアとの協議が必要としている中、ドイツがお構いなしに撤去を主張しているため、核兵器の保有も十分検討しているのではないかと思う。

これをどう見るべきだろか?

日本は今、軍備を拡大させなければならない状況にあります。しかし、インドのように暗黙の了解を得られる立場ではありません。

ドイツの軍拡に対処する場合、ロシアのシベリアにおける状況は悪化するはずです。そのため、ドイツは中国と手を握る可能性が高いのではないかと思います。中国は、シベリアを欲しがっているでしょう。

日本は、ロシアのこの状況から軍備拡大の了解を取り付けるチャンスを見つけ出さなければなりません。

では、どのような順序で考えるべきだろうか?

①ドイツの軍拡によってロシアが資源をヨーロッパに振り向けなければならなく状況の初期
→日本はドイツの状況を黙認(or 不快感を示す)、ドイツの中国接近については認めない(批判する)

②シベリアの状況が中国優位に推移しそうになるころ
→日本はフランス、ロシア、イギリスの軍備拡大、その他の行動を支持し、ドイツの軍拡を認めない
→日本はこの時期に軍備を拡大させる(当然、準備はその前からしておく必要があります)

それにしても・・・

『大国政治の悲劇』の「明日の北東アジアの構造と紛争」を読むと、ニクソン大統領時代のキッシンジャーの中国接近を思い起こさずにはいられません。キッシンジャーは、『外交』(ナポレオン3世とビスマルク)で、普墺戦争においてプロイセンを支援したナポレオン3世を批判していました。「力関係の読み間違え」、「個人的な思い入れ」がオーストリアを支援すべきだったのにプロイセンを支援してしまった原因として挙げられています。

キッシンジャーは、中国接近の限界をしっかり把握していたのだろうか?あるいは、その後の政権における政策の転換に失敗したということだろうか。いろいろと疑問が湧いてくる。

ただ、「言うは易く行なうは難し」。

「個人的な思い入れ」から抜け出して、あるべき姿に戻る苦しみは日本人のほうが理解できるはず。心のなかでは分かっているのに、口に出せない状況にあるのですから。

いろいろなニュースが出てくると思います。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-04-23 23:20 | 国際情勢


キルギス政府 マナス米基地の使用を延長(ロシアの声、2010/04/16)

 キルギス暫定政府は16日、同国内のマナス米基地使用に関する合意の延長を伝えた。マナス米基地は、使用期間がさらに1年延長される。

【引用終わり】

中央アジアにおけるアメリカの拠点が維持されることになりました。もし、この拠点がしばらく維持される場合、中国内陸部の中国政府の支配力を動揺させる効果があるこの決定は、中国政府の資源を内陸部に向かわせ太平洋における活発な中国海軍の活動に影響を与えることになると思います。

韓国が北朝鮮に対処する時、中国に与える影響を極力避けようとしてきたように、現在の日本も中国に刺激を与える行動を手控える傾向にあります。

ここで昨日読んだ防衛研究所のメモをご紹介します。これによると韓国の認識は変わってきているようです。

防衛研究所ブリーフィング・メモ1月号

クローズアップ2010:米・新核戦略 北朝鮮・イランに照準 攻撃対象変わらず

この防衛研究所のメモでは米韓の連携(ミサイル防衛)が対中軍事同盟の色彩を帯びる可能性に言及しています。このような観点から現在の韓国海軍哨戒艦の沈没事件を捉えていくといいのではと思います。事件が起きたのはちょうど中国海軍が沖縄を通過する出来事と同じ頃であり、黄海での勢力図が一気に中国側に傾いたころと同じです。沈没した哨戒艦のニュースを見るとその様子は魚雷で打撃を加えられ真っ二つに割れて沈没する様子と非常に似ています。

調査結果がどのようなものであれ、アメリカとの連携を深める選択によって、中国からどのような圧力がかかるのかという心理的圧迫感が非常に高まると言えるでしょう。韓国が中国に近づくことを防止することと竹島のこれ以上の韓国による現状拡大を防ぐことを日本は両立しなければなりません。いわば韓国はそれを見越して現状を拡大させようとしています。

私たち日本人はそのような状況の中で、韓国による竹島の調査に対処しなければなりません。

日本政府は、政府を構成している人たちの心理的傾向も重要ですが、国際情勢と対外政策との関連で見る場合、韓国に刺激を与えることは、韓国と北朝鮮の心理的一体感を生み出し、ひいては朝鮮半島における中国の影響力を高めることを恐れているものと思われます。

しかし現在の日本は何かにどう対処するかよりも、自分自身を見つめ直す時期にあります。国際的な1つの極として将来日本を歩ませたいと思うなら、基本的には自国領土への侵害は許すべきではありません。

また、朝鮮半島は大陸側にあり、海に浮かんでいる国から見ると韓国と手を結べないならば沿岸の別の国と手を結ぶという方向で考えた方がいいと思います。また、沿岸の別の国を探すには中国内陸部の動きから中国の分裂につながる要素を探し出し対処するという道を模索するべきだと考えます。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-04-16 20:42 | 国際情勢

中国艦船の演習について

中国艦隊の沖縄近海南下、偵察・挑発の可能性(読売、2010/4/13)

3月19日の記事を再度先頭の記事とします。

皆さん、もっとこの出来事をしっかりと周りの人達と話しあうべきだと思います。

「公海上での航行は自由だ」という法律上の話ではないと思います。この行動をした場合、最終的には相手が怒って目的を達成できなくなるという雰囲気をしっかりと作ることが重要だと思います。

●3月19日
「報道ステーション」を見た。フィリピンの元スービック海軍基地の特集だった。多くのフィリピン人は米軍撤退後も中国の脅威などについて心配はないと答えていた。海外ではなく国内の脅威を挙げる住民もいた。南沙諸島が中国に奪われる事態になったことは報道されなかった。

ここでは自立することのメリットが協調されていた。これを沖縄にあてはめると、最終的には東シナ海のガス田はすべて中国側に奪われることになってしまうだろう。「自立」という言葉は非常に魅力的だが使われ方によっては全く期待とは違う結果になってしまう。

「自立」という意味を何のごまかしのない最もストレートな意味で捉える場合、沖縄における自衛隊の増強が必要だということになるだろう。そして、この場合、本気でこれを「使う」意思をもって運用しなければいけなくなるはずだ。

ただ、演技で形だけの戦争が行われた後、明け渡すという可能性もあるかもしれない。 2010年は日中両国の経済力が並ぶ年だ。米国からすると、この段階で日中戦争がおき、その戦争を長引かせることには利益があるだろう。ロシアと米国の核をめぐる対話は米ロの関係改善の要素をはらんでいたが、その効果が、日中の争いを長期化させる方向に働くかもしれない。あるいは、米中は太平洋を2分するという可能性を伝える論者もいる。この場合、西ベルリンのような形で日本の一部が米国の影響力の中に残るか、すべてが中国側に渡るということになるだろう。

多くの論者が、「私は核はつくらなくてもよいと思う。平和で世界を引っ張る!」というが、どうも話を先に進めておいて最後の最後でぼかしているような気がする。私は、財政が持たなくなる前、日中両国の経済力が並ぶ今が軍事的な要素だけで見ると核兵器を持つタイミングだと思う。

以前は、中央アジアから中国内陸部の動乱→分離独立の動きが起こることによって、日本側(海側)の圧力を少しでも和らげることが出来るのではないかと思っていた。

しかし、当然のことながら新疆ウイグル自治区での暴動鎮圧は徹底的だったし、これからもそうだろう。可能性は追求するべきだが、内陸部ではなく海側に大きく圧力がかかってきたと思う。それは、中国に空母など海軍を拡張する余裕があることなどから読み取れるのではないだろうか。

内陸部の動乱→日本側(海側)の圧力緩和ではなく、日本側での動乱→内陸部の動乱という順序のほうが可能性が高まっていると思う。中央アジアに間接的な影響力を与えることが出来るインド洋への海自派遣を終わらせたことは自分の首を絞めることになると思う。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-04-14 12:30 | 国際情勢

キルギス情勢

2005年の「チューリップ革命」からすでに5年が経っている。個人的にはホームページ作成を始めたころで、食い入るように毎日ニュースを読んでいた時期だ。もし国際社会がある程度安定しているならこのような巻き返しの動きをたった5年で目撃するようなことはなかっただろう。

様々な記事において、今回のキルギスでの混乱は、2005年のアメリカによる勢力拡大をロシアが押し返したものとして伝えられている。バキエフ大統領は、首都ビシュケクから南部のジャラル・アバドに逃れ、政権が崩壊したと報じられた。

2010年4月7日、メドベージェフ大統領はキルギスの状況を「キルギスの内政問題だ」とし、「キルギスは重要なパートナーであり、事態の推移を注視している」と発言した。その一方で、「政権に対する一般市民の怒りが非常に強かった」とも述べ、バキエフ政権に対する市民の不満をロシアのキルギスに対する不満と重ね合わせた。(キルギスにおける米軍の存在を認めているバキエフ大統領に不満を持っていたとされている)

4月8日、ロシアは自国民、ロシア外交官の保護を名目に空挺部隊をキルギスに派遣した。この時、カザフスタンはロシア部隊の領空通過を認めている。私は、ここで国家のパワーとは自国の行動を他国に追認させる有形・無形の力とも言えるのではないか感じた。

同日、中国外務省の報道官は、「今のところ、中国大使館や中国企業の職員は無事であり、華僑華人に死傷者がでたという報告もない」としたが、翌日9日(つまりロシアのキルギス派兵後)には、中国の政府・共産党の機関紙としての性格を持つ人民日報でキルギスにおける中国人の被害が伝えられた。

日本における「自国民の生命と財産の保護」という表現には、それ以上の何かは何も含まれていないと考えられがちだ。しかし、第2次世界大戦時、ドイツによるチェコ・ズデーテン地方の要求が「ドイツ系住民の安全」を図ることにあったことを考えると、これはもう立派な戦争へ至る重大な表現だと考える必要がある。また、中国の場合は「華僑華人」も「安全と財産の保護」の対象とされているため、外国人参政権を巡る日本国内の議論においても大きな懸念材料だと言える。きれいさっぱりこのアイデアを捨て去り、経済連携協定を結んだ国家との間で職業訓練等のサポートを充実させることができる部分での付き合いに思考を戻すべきだと思う。

中国もまたキルギスを重大な関心をもって眺めている。アメリカがこの地域から去った後は容赦のないロシアと中国による分割・細分化という事態も念頭に置いておく必要がある。カザフスタンは今回ロシア部隊の領空通過を認めたと伝えられているが、深まる経済関係を生かし、中国がカザフに圧力をかける可能性も高まっていくことだろう。(中国は、カザフスタンをロシアから引き離し、中央アジアへの重要な足がかりをロシアから奪おうとするはずだ。)

また、国境を接する新疆ウイグル自治区の独立派がキルギス情勢の混乱と連動しているという事態を中国が重く見ている記事もあった。

ロシアは、将来ほかの成長を遂げている国と比べて潜在的に条件が劣っていることを認識しているものと思われため、中国との中央アジア、シベリアにおける状況は劣勢だと考えていると思う。

新聞で伝えられている通り、キルギス・マナス空港の米軍基地をロシアはよく思っていない。しかし、この地域から米軍が去っていくことも恐れているはずだ。

アフガニスタンへの補給では、アメリカに一定の便宜が図られることになるのではないかと思っている。

これについては注意深く見る必要がある。

まず今回、臨時政府を作ることになる側はもともとは米軍の撤退を求めていたとされている。ロシアの圧力がなければそれは完全な撤退を求める動きとなる可能性もあっただろう。

しかし、ロシアの介入とともに、野党側のオトゥンバエワ氏は国際的な合意を守りながら最終的には国益を重視すると発言したため、トーンダウンしたと考えることはできないだろうか?

米ロの核軍縮をめぐる動き、ロシアのキルギスへの介入に対するアメリカ側の反応の弱さ(もちろん懸念は出されている)などを考慮して以上のように考えてみた。

キルギスはアメリカ、ロシア、中国に接した地域である。そして、朝鮮半島、日本もまたアメリカ、ロシア、中国に接した地域だ。中央アジアが置かれている環境のうちのいくつかは、日本にも当てはまるはずである。客観的に自分を眺めるつもりでこの地域に注目していきたい。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2010-04-10 00:53 | 国際情勢

今回お伝えするのは、

①米露関係:米国が東欧のミサイル防衛基地設置を撤回
②イスラエル・ロシア首脳が会談したこと
③米国国内でアフガン基本政策について論争が起きていること

に焦点を当て考えていきます。

見方1:地理的にイスラエルとアメリカを中心としたアフガニスタン駐留軍に挟撃される。→イランが不利。


今回も、ここを出発点としてニュースを考えていきましょう。

見方2:アフガニスタンに駐留することになる膨大な兵力の補給線がイランと補給線近くに勢力があるタリバン勢力により圧迫されアフガニスタン駐留軍が非常に危険な状態に陥る。また、アフガニスタンを取り囲むような位置にある上海協力機構諸国が陰に駐留軍の活動を妨害する可能性がある。→イラン有利



まずは最近の流れから見てみましょう。


10月3日、アフガニスタン東部、国際治安支援部隊(ISAF)の前線基地をタリバン兵約300人が攻撃し米兵8名が死亡。


10月4日~5日、アフガニスタン国防軍は東部および南部に展開しタリバン兵約100名を殺傷。


10月5日、パキスタン軍28000人がタリバンの補給路を断ち、周辺に兵力を配置することによって陸路を封鎖する目的でアフガン国境に近い北西部部族地域に展開。


10月6日、パキスタンにおけるタリバン運動に新指導者が誕生。


アフガニスタン東部・南部、パキスタン北西部は非常に混乱しているとみていいでしょう。これに関し、アメリカ国内では論争が起こっており、政権中枢において意見を2分するほどのものとなっています。


1つは政権中枢部の意見です。バイデン副大統領、ジョーンズ大統領補佐官(国家安全保障担当)、メニュエル首席補佐官らのグループは、「アフガンがタリバンの手に落ちる差し迫った危機はない」とし、「増派よりアルカイダに標的を絞った対策(無人攻撃機などの手段)が必要」であり、「パキスタン・アフガン国境付近のアルカイダの聖域に対策を絞る必要がある」というものです。


もう1つは軍関係者の見解です。アフガン駐留軍・ISAF司令官を兼任しているマクリスタル司令官は、「(増派がなければ)1年以内に情勢を反転させないと(タリバン)掃討が不可能になる。」として、年内完了の2万1千人の増派に加え、最大4万人の増派を公式にオバマ大統領に求める予定と伝えられています。また、政権中枢部グループの意見を「短絡的」として批判しています。


これについて、政権を2分しているという見方と意見をあぶりだしている段階で最終的に大統領が決断するとの見方がありますが、どのような形になるのか注目する必要があります。


見方3:パキスタン経由の危険な補給線だけでなく、ロシア経由でアフガニスタンへの補給をする必要が生じ、対立してきたアメリカはロシアとの関係改善が必要になる。→イランが有利



9月17日、オバマ政権は東欧におけるミサイル防衛計画を全面的に見直す(中止)と発表しました。


ロシアとアメリカの関係を改善させるための決定です。 東欧におけるアメリカのミサイル防衛計画とは、ポーランドに迎撃ミサイルを配備し、チェコにレーダー施設を建設するというものです。このミサイル防衛計画をロシアは自国を標的としたものだととらえ、反発してきました。そしてキルギス、グルジア、ウクライナ等の旧ソ連圏の国家で起こった親米政権の樹立(革命)と合わせて考慮した結果、ロシアは中国との連携を優先させてきました。


アメリカのような海軍国の伝統的な戦略は、ユーラシア大陸の国々が一致団結するのを防ぎ、大陸から海に進出する勢力が生まれるのを防ぐというものです。今回の決定は、今まで上海協力機構を通じアメリカに対抗してきたロシアと中国の関係が変化する重要な一歩だと見ることができるでしょう。


しかし、アフガンへの増派は隣接するロシアや中国にとっての懸念事項であるため、ロシアの協力は得られやすくなりつつあると言えども、注意して観察していく必要があると考えられます。ロシアは、今回のアメリカの決定を歓迎しつつ、疑いの目をもってイランへの武器供給などでアメリカを牽制していくことと考えられます。


この文脈の中で、次の見方4でロシアとイランの関係、イスラエルとイランの関係を見ていきます。


見方4:状況が不利になったイスラエルはアフガニスタンのイラン側を支援するため単独でイラン空爆。



中国の力の増大によって、アメリカと中国は資源、勢力等で世界的な競争関係に入っていくことと考えられます。そのため、いずれ何かしらの紛争が発生する可能性さえ考慮しなければなりません。問題は、いつ、どこで発生するかであり、それぞれの地域では自国周辺で起こらないよう様々な駆け引きが行われる可能性が高いと思います。


今回の東欧におけるミサイル防衛計画の中止は、ロシア・中国とアメリカの対立からロシアが一歩後退することを意味していると考えられ、ヨーロッパが「世界的な競争関係」から生じる争いから解放される可能性を示唆するものであり、ヨーロッパ各国は概してこの決定を肯定的に捉えています。


「見方4」では、イスラエルとイランの間で起こる可能性がある紛争を、この「アメリカと中国の世界的な競争関係」の中東版として捉えてみようと考えていました。


今回は、今までイランの後ろ盾として行動しているロシアとイスラエル首脳が会談したという話について考えていきたいと思います。


まずは、最近の動きから見てみましょう。

中東・アフガニスタン周辺の最近の動き
4月10日ロシアがイスラエルから無人偵察機購入を決定
→8月メドベージェフ大統領とイスラエル・ペレス大統領の会談もし、イスラエルがイランを攻撃したら、ロシアはイランを支援するかという質問に、「イスラエルはイランに対する軍事攻撃の計画を持っていないと語った。私はそれを信じる。」

9月7日メドベージェフ大統領、イスラエル・ネタニヤフ首相の会談
ロシアに、イランへの対空ミサイル、シリアへの対戦車ミサイル、レバノンのヒズボラへの支援等をやめるよう求める。

9月19日国際原子力機関(IAEA)、イスラエルに核査察受け入れと核拡散防止条約への加盟を求める→日米反対、中国・ロシア賛成。イスラエルは「協力しない」。

9/23米露首脳会談
→ロシアはアメリカに「中東非核化」を提唱し、イスラエルに圧力をかけるよう求める。

9月28-29日イラン、ミサイル実験
→イスラエル・ペルシャ湾岸諸国を射程内に収める9月28日ロシアの談話「今は感情にまかせて行動すべきではない。我々は冷静になるよう努めるべきであり、イランとの生産的な交渉プロセスを開始することが肝要だ。10月1日に行われる国連安全保障理事会にイランは手ぶらでは来ないよう期待する。」

9月29日イラン国際原子力機関(IAEA)の核査察受け入れへ

10月7日米政府・議会、イランへの追加制裁準備
→金融、燃料など包括的な制裁を準備

10月8日国際テロ組織アルカイダ、新疆ウイグルでの対応に対し中国に報復宣言



ロシアとアメリカが協力できる可能性が高まるにつれて、イラン・イスラエル間の対立が、「アメリカと中国の世界的競争関係から生じる戦争」という文脈から、「地域的な対立関係」へとその規模を縮小させつつあると考えることはできないでしょうか?


しかし、冷戦時代は各国間の争いが抑制されたものとなっていたが、ソ連解体後押さえつけられた民族間の争いが表面化したように、「地域的な対立関係」にスケールが縮小される方が紛争が起こりやすくなると考えられます。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2009-10-10 23:14 | 国際情勢

米ロ首脳会談

米ロ首脳会談が開かれました。ここでは、中東とこの首脳会談について考えます。

見方1:地理的にイスラエルとアメリカを中心としたアフガニスタン駐留軍に挟撃される。→イランが不利。

今回も、この見方1から各国がどのような牽制を行っているか見ていきましょう。

見方2:アフガニスタンに駐留することになる膨大な兵力の補給線がイランと補給線近くに勢力があるタリバン勢力により圧迫されアフガニスタン駐留軍が非常に危険な状態に陥る。また、アフガニスタンを取り囲むような位置にある上海協力機構諸国が陰に駐留軍の活動を妨害する可能性がある。→イラン有利

6月15日、ロシアにて上海協力機構・首脳会議が開催されエカテリンブルク宣言が発表されました。ここでは、アメリカ、ドルに対抗する意味合いの話し合いがなされると共に、キルギスにおける米軍の拠点であるマナス空軍基地の存続が決定されたと報じられています。

キルギスは今年2月、米軍の中央アジア駐留を嫌うロシアからの20億ドルの支援と引き換えに米軍駐留の拒否を表明していました。しかし、3月27日、上海協力機構・アフガニスタン特別会合に日米が招待されるなど反米色の色濃い組織ながら微妙な動きがあったことから注目されてきました。

今回のキルギスにおける米軍基地の存続決定にはいくつかの注目すべき点があります。

1. 物資輸送センターを新設
2. 非軍需物資に限定される
3. 年間基地使用料が17億円から57億円へと約3倍に跳ね上がっている。

キルギスにおける米軍基地の存続は以下の点とあわせて理解すべきでしょう。

見方3:パキスタン経由の危険な補給線だけでなく、ロシア経由でアフガニスタンへの補給をする必要が生じ、対立してきたアメリカはロシアとの関係改善が必要になる。→イランが有利

米露は激しく対立しながらも、ロシアはアメリカに何かしらの譲歩を与えてきました。特に中央アジアにアメリカ軍が駐留することについて、ロシアはアメリカを完全に排除しようとはしていないという印象を受けます。

米軍が中央アジアに進出して以来、中国の新疆ウイグル自治区における暴動は非常に大規模なものになってきています。これは米軍の駐留と無関係だとは言い切れません。中央アジアにおける中国のライバルとしてロシアは近隣諸国(イラン・インド等)、アメリカをこの地域に関与させ、中国をけん制したいと考えていると思います。

このような情勢の中、7月6日米露首脳会談が行われます。ここでの注目点は2点です。

1. 戦略核弾頭の削減目標を盛り込む枠組み文書の合意
2. アメリカのミサイル防衛東欧配備計画に対するロシアの反応とアメリカの出方

ロシア側は、東欧に配備されるミサイル防衛網がイランに対してのものだというアメリカ側の説明を拒否し、あくまでもロシアに対抗するためのものだと考えています。MD網の配備は次にみる見方4と関連があります。

見方4:状況が不利になったイスラエルはアフガニスタンのイラン側を支援するため単独でイラン空爆。

7月5日、バイデン米国副大統領はイスラエルにはイランの核開発を阻止するために軍事行動を起こす「主権国家としての権利」があると発言しました。そして、「イスラエルは主権国家として、自国の最大の利益が何か自ら決定できる。ネタニヤフ政権が現行と異なる行動方針を決めても、それは彼らの主権の問題であり、われわれが選択したものではない」とも発言しています。

7月6日、イスラエルは潜水艦1隻を紅海での演習に参加させるためスエズ運河を通過させました。ニュースでは、イランにメッセージを送る意図があると書かれています。

しかし、米露首脳会談が同時に控えていることから、イランに直接メッセージを送るというよりもこの米露首脳会談に圧力をかける目的があるのではないかと考えています。つまり、イランを支援しているロシアにアメリカは譲歩せずMD網を東欧に計画通り配備してほしいというメッセージです。ロシアへの譲歩は、イランに対する軍事攻撃にエスカレートする可能性があるというメッセージとも受け取れます。

7月5日のバイデン副大統領の「われわれが選択したものではない」という発言は、イスラエルに対する牽制の意味が込められていると読み取れるでしょう。

米露間の関係改善は、見方3から必然的にイランを有利な立場に立たせてしまうためにイスラエルは牽制を行っていると見ることができると思います。

イラン・イスラエル間の関係は、前回記事を書いた時よりも切迫の度合いが高まっていると感じています。
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2009-07-07 09:48 | 国際情勢

日本の太平洋側

----------------------------------------------------------
米ロ原子力協定を凍結 グルジア侵攻への対抗措置(2008/09/09、共同)

「遺憾だが、現在の状況下で協定を推進するのは適切ではない」
「展開を注視しながら状況をあらためて検討する」
(アメリカ、ライス国務長官)
------------------------------------------------------------

テレビを見ているとアメリカとロシアが協力できる余地はないようにも思えますが、「あらためて検討する」というコメントから何か別のことを感じます。


------------------------------------------------------------
ロシア:ベネズエラに軍駐留へ 米のグルジア支援に対抗か(2008/09/08、毎日)

「我々がハリケーン被害への人道支援目的でカリブ海沿岸諸国に軍艦を派遣したら(米国は)どうするだろうか」(ロシア、メドベージェフ大統領)
--------------------------------------------------------------


少し前、米軍の再編成ではグアムが重要だと取り上げられていました。

その当時、これを読んで抱いたイメージはただラインが後退するというものでしたが、大西洋も含めて考えるとまるで腰掛けられた風船のように太平洋が圧迫されているようにも感じます。

カリブ海と言えば、その近くにはパナマ運河があります。

恐らく、ロシアの艦船がこの地域に来るかもしれないというニュースだけでカリブ周辺の国々の様々な勢力に刺激を与えているのでしょう。


-----------------------------------------------------------------

アルゼンチンとブラジル、ドルを介さず貿易決済 新制度合意(2008/09/09、日経)

ブラジルのルラ大統領とアルゼンチンのフェルナンデス大統領は8日、ブラジリアで会談し、二国間の貿易決済に米ドルを介さず自国通貨を用いることで合意した。10月6日から試行する。中小企業による輸出促進に加え、「将来的な通貨統合への一歩」(ルラ大統領)として周辺国にも参加を呼びかける。・・・・・
-----------------------------------------------------------------
[PR]
by Naotaka_Uzawa | 2008-09-10 01:15 | 国際情勢