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北朝鮮問題

六者協議の参加国はアメリカ、日本、韓国、ロシア、中国、北朝鮮となっています。ニュースを見ているとアメリカ、日本、韓国は緊密に連携していると伝えられています。

 朝鮮半島をめぐる様々な状況は、日清、日露戦争の頃に戻っていると見ることが出来ます。それぞれがこの半島への影響力をめぐって駆け引きをしている状況です。なぜ、北朝鮮の核兵器が問題になるのか?その直接の(あるいは明示されている)原因は、自国の安全に重大な影響を及ぼすからです。

 しかし、明示されていない本当の原因は、核を保有することによって、朝鮮半島が独立の勢力になることを防ぐことにあります。この半島が核を保有すればアメリカ、中国、ロシアが自国に有利な影響力を振るいにくくなるからです。

 話は、戻りますが6者協議といっても、主だったプレーヤーはアメリカ、ロシア、中国です。100年前と状況は似ていても、日本はその中にはいないと見るのが、多分、謙虚な見方だと思います。なぜなら、敗戦によって日本は独立した勢力と見ることは出来なくなったからです。

 そう考えると、日本が協議の中に入っているというのは非常に意味があります。日本から見ると、駆け引きの実際の主体というよりも、これからの日本のあり方を決めるという意味で重要だと思うからです。  今回の訪朝の基盤は、アメリカの軍事的な努力(臨検のような)を基礎として、その上に日本の軍事上の努力とそれを支える世論の動きにあるように思います。ただ、臨検には、現場における熟練が必要なはずです。これからは法律で用意された事柄が有効に機能するようにしていくことが必要だと感じます。現在、読んでいるクラウゼヴィッツの文章には次のような内容のものがあります。

 「個々の戦術的勝利(実際の戦闘、あるいは軍事力の存在によって相手が行動をやめること)の上にのみすべての戦略的戦闘組み合わせが依存している。」 

 非常に単純に言うと、結局何事も地道な事の積み重ねだということなのかもしれません。とすると、今回の訪朝では制裁措置の発動はしないという言葉が出たので地道な努力が打ち消されてしまったと考えることが出来るかもしれません。
 
 確かに日本は様々な軍事上の努力をここ数年の間してきましたが、果たして核について実質的な結果を残せるような力が日本にあるのかどうかは疑問です。


この文は私が作っているページにも載せています。
by Naotaka_Uzawa | 2004-05-22 22:54 | 国際情勢

For Future Reference代表。編集者、ストーリー分析など。執筆に挑戦する方とご一緒に活動しています。ブログでは仕事とは少し離れて大学時代から関心のあった国際情勢や哲学、関連書籍について発信しています。


by Naotaka_Uzawa
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