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『カント入門』(石川文康著)

『カント入門』(石川文康著)_a0005366_17403610.jpg『純粋理性批判』を理解するコツはアンチノミー論の理解からか・・・

「後の理性批判に通じる思考法の萌芽・・・すなわち、対立する2つの立場に直面した場合、真理はおおむね中間にあるという「確からしさ(蓋然性)の論理」・・・これは今日の確率論の先駆をなすものである。それはまたなによりも、アンチノミーの思考法の先駆でもある。」(50p、1.証明不可能な根本真理―伝統的合理主義のまがり角)

「戦争はさまざまな関係を合計した平均値から起こるのではなく、その時々の支配的な要因によって起こる。厳密な論理的推論は不可能。理論はこれらを認めなければならない。しかし、概念上の戦争を普遍的な指標として使うことは理論の義務だ。そうすれば概念を見失わず、戦争において発生する事柄を理論との関連で把握し、可能・必要ならいつでも接近できるはずだ」(クラウゼヴィッツ『戦争論』、8編2章)

『戦争論』の1編3章との関連で、この本のなかに「勇気」や「沈着」という言葉が出てくる(140p)部分には興味を持ちました。「自由をめぐる第3アンチノミー」と「偶然性・蓋然性のなかにおける最高司令官の自由な精神活動」(1編1章28)という部分には関連があるような・・・
by Naotaka_Uzawa | 2010-11-12 18:03 | 哲学・科学

For Future Reference代表。編集者、ストーリー分析など。執筆に挑戦する方とご一緒に活動しています。ブログでは仕事とは少し離れて大学時代から関心のあった国際情勢や哲学、関連書籍について発信しています。


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