第1編第5章 肉体的労苦

肉体的な苦痛は、戦争における摩擦の最も大きい要素の一つ。


寒さ、暑さ、渇き、飢え、疲労などの肉体的な苦痛は、戦争に大きな影響を与え、判断を大きく歪ませてしまう。そのような状況で下される判断は客観的には正しくないとしても、対象との関係を示しているという点で主観的には正しいと言える。しかし、その判断は、甘く厳密さを欠き、正しい認識を受け入れられない精神的な狭さを抱えている。


肉体的な苦痛は、「戦闘力の使用」に悪影響を与える。


その主な点は以下の2つ。
●戦争で必要とされる理性・感情をだめにしてしまう。
●戦闘力の最大限の使用を制限してしまう。


司令官には、苦労を強制しその状態を長い間維持するという精神力が必要となってくる。


またそれを可能にする技術が必要となる。

•1編3章、「体力・精神力・健全な常識・状況の全体を把握する理性」が挙げられています。
1編8章、演習のあり方


(注意点)肉体的な苦痛を敗北時に語り、敗北の印象を薄めるようなことはすべきでない。これを躊躇する感情は、より高い次元の判断力といえる。
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by Naotaka_Uzawa | 2010-05-28 00:13 | クラウゼヴィッツ:戦争論読解